革とは「鞣し(なめし)」と呼ばれる腐食を防ぐ加工を施したものを意味し、英語では「レザー」と呼びます。一方、加工していない生の状態を「皮」と呼び、英語では「スキン」といいます。
そんな革の中でも、特に人気があるのが「牛革」です。牛革は丈夫で長持ちし、エイジング(経年変化)も楽しめます。そこで本記事では、牛革の主な種類や特徴、魅力について詳しく解説します。
牛革の特徴・魅力って?
牛革の特徴・魅力として、次の4つが挙げられます。
- 強度や耐久性が高い
- 色合いや艶に変化が生まれる
- 種類が豊富にある
- 水に弱い
ここでは、それぞれの詳しい内容について解説します。
強度や耐久性が高い
牛革は革製品の中でも特に人気があります。その理由の1つに「強度や耐久性の高さ」が挙げられます。
これは、牛革における皮膚の繊維組織が均一になっていることが大きく影響しています。牛革の内部構造は弱い箇所や不均衡が少ないのが特徴です。その結果として、牛革の強度や耐久性をもたらしています。
また、 丈夫かつ均一な構造によって加工が容易であることから、さまざまな加工技法に適しており、多様な製品制作の際に役立ちます。このように、牛革の物理的特性や加工の容易さは、ファッションアイテムやアクセサリー、家具など多岐にわたる製品での使用を促進しているのです。
色合いや艶に変化が生まれる
時間の経過とともに革製品に現れる色合いや質感の変化を指す「経年変化」も牛革の特徴・魅力です。この変化は「エイジング」とも称され、まるでワインの熟成のように使うほどに深みを増していく特性があります。
具体的には、革製品の表面に塗布されたオイルや使用者の手の油分、さらには日常の摩擦や日光などが革に浸透していく中で、その色合いや艶が徐々に変わっていきます。
革製品と持ち主が共に過ごす中で生まれる経年変化は、特に牛革製品の愛用者にとって、大きな魅力の1つです。
種類が豊富にある
皮革製品の特性や質感は、その動物の部位や肌のグレードに起因します。たとえば、同じ動物であっても背中の部分や腹部の部分では、強度や厚さ、硬さといった物理的特性や風合い、質感などの感触的特性が異なります。
これにより、皮革製品は非常に個性豊かなものとなっており、これは多くのユーザーにとって魅力的なポイントです。さらに、動物の性別や成長過程、出産や去勢の有無といった生理的な状態によっても、皮革の特性は大きく変わります。これらの特性を持つ皮革は、それぞれ独自の名称で呼ばれています。
水に弱い
牛革はその独特の質感と耐久性で高く評価されていますが、水との相性は良くありません。他の本革製品と同様に、水分が革に浸透するとシミの原因となり、さらには変色や変質を引き起こす場合があります。特に、湿度の高い場所や雨の多い日に使用する際は、注意が必要です。
そのため、新しい牛革製品を使用し始める際は、その寿命を延ばすためにも防水スプレーの使用をおすすめします。これにより、水や湿気から革を保護し、美しい状態を長く維持することが可能です。
ただし、すべての製品が防水スプレーと相性が良いとは限らず、使用前には目立たない部分で試してから全体に適用するようにしましょう。
牛革の主な種類
さまざまな特徴・魅力を持つ牛革ですが、その種類も豊富です。主な種類として、次の5つが挙げられます。
- カーフスキン
- キップスキン
- カウハイド
- ステアハイド
- ブルハイド
それぞれの種類の詳しい内容についてみていきましょう。
カーフスキン
カーフスキンは、生後6ヶ月以内の子牛の皮を使用したもので、牛革の中でも特に希少価値が高いとされる素材です。
その薄さと繊維構造の細かさから、革の表面を意味する「銀面」が非常に滑らかで、手触りが柔らかいのが特徴です。この特徴から、お財布や鞍といった製品の素材として重宝されています。
また、カーフスキンには「ヘアカーフ」や「ベビーカーフ」といった複数のバリエーションがあります。「ヘアカーフ」はその名の通り毛付きの革を指し、生後3ヶ月以内の子牛の革は「ベビーカーフ」と呼ばれています。
さらに、これらの革の原皮は約4〜7キロの重さで、大きさは全長100㎝×横70㎝程度です。これは、成熟した牛の革と比べると半分以下となり、その希少性が高い素材としての価値を裏付けています。
キップスキン
キップスキンとは、生後6ヶ月から2年程の牛から取れる特有の革です。この年齢の牛の革は、仔牛と成牛の中間の特性を持っているため「中牛革」とも呼ばれます。
キップスキンの最大の魅力は、カーフスキンに次ぐ美しい銀面を持つ点です。特に、キメの細かさにおいては一般的な成牛の革よりも一層細かく、手触りは滑らかで柔らかな感じがします。
さらに、カーフスキンよりもキップスキンの方が革の厚みや耐久性、堅牢度が高いのも特徴です。そのため、日常的な使用においても耐久性が求められる製品にはキップスキンが好まれる傾向にあります。
カウハイド
カウハイドは、生後2年以上経過したメスの牛の皮を指します。この期間を経て出産経験がある牛は、特に腹部の繊維が伸びているのが特徴で、製品には使用できない部分として扱われるケースも少なくありません。
しかし、雄牛の皮に比べるとカウハイドの皮は表情が繊細で手触りが柔らかく、高級感があります。さらに、若い牛の皮から作られるカーフスキンやキップスキンに比べて厚みと丈夫さを兼ね備え、耐久性が高いのが特徴です。
このため、カウハイドレザーは革靴や革小物、レザーバッグ、革財布など、日常での使い勝手を考慮した製品の素材として広く利用されています。その耐久性と独特の風合いから、長く愛用される場合が多く、多くのブランドや職人によって選ばれる革の1つです。
ステアハイド
ステアハイドは、特定の時期に去勢された雄牛から採取される革です。具体的には、生後3〜6ヶ月の間に去勢され、その後2年以上育てられた成牛から得られる革を指します。
この特定の方法で育てられた牛から得られる革は、その厚みと耐久性のバランスが特に良く、革製品の製造において高い評価を受けています。また、ステアハイドは肉牛として飼育されている牛からの副産物として採取されるため、供給が安定しています。
これが、ステアハイドが世界的に広く流通している大きな理由の1つです。このような特性から、ステアハイドは多くのバッグ、ウェア、靴、アクセサリーなどの革製品に利用されています。
ブルハイド
ブル・ハイドは生後3年以上の去勢されていない雄牛の皮です。この頃の活動的な種牛は気性が荒く、同士での決闘から傷が多く生じるため、体中に傷が目立ちます。
そのため、しなやかさや柔らかさは欠けるものの、牛革の中でも特に厚くて丈夫であり、耐久性はトップクラスです。主に革靴のソールや家具、工業用ベルトに使用されています。
ファッション製品としては敬遠されることも多いブルハイドですが、ワイルドな質感を求めるバッグなどにも採用されるケースも少なくありません。
まだまだ多くの種類がありますが、一部ご紹介いたしました。
特別な記念品におすすめの牛革商品
ここまで、牛革の主な種類や特徴、魅力について解説しました。手触りや軽さ、耐久性、風合いといった革の種類や特徴を理解することで、より長く愛着を持ってアイテムを楽しむことができます。
なお、弊社「コクーゾ」は仕上がり状態が1.凹凸のない表面の「スムースレザー」2.表面に細かく寄った不規則なシワの凹凸のある「シボ」3.カーボンファイバー模様で角度によって見える光沢が違う表面の「カーボン調」といった高級感漂う牛革でIDカードケースやネックストラップを記念品としてお作りいただけます。
また「自社に合わせた縦型にしたい」や「窓の部分を大きくしたい」といったカスタマイズも可能です。周年記念や創立記念、上場記念などの特別な記念品として、ぜひご検討ください。